イベント2016.04.22“震災復興”と“歴史の中の自分”…現代社会を鋭く描写する2作品、それぞれ想いの籠もったスタッフ舞台挨拶
4月22日(金)、那覇市の桜坂劇場ホールCにて、地域発信型映画 supported by ひかりTVの2本立て『最高の仕打ち』と『歴史の時間』の上映に先立ち、各作品のスタッフによる舞台挨拶が行われました。
福島県福島市発信の『最高の仕打ち』は、「心の復興」をテーマに、震災後の福島市に生きる人々を力強く描いた人間ドラマです。舞台挨拶には、川村清人監督に加え、amiさん、実名出演のシンガーソングライター・片平里菜さん、インパルスの板倉俊之が登壇しました。そして福島市より実行委員会の4人も応援に駆け付けられました。
福島県出身の川村監督は、「生まれ故郷を描けたのが何より嬉しい。復興でがんばってる福島の『今』を伝えられれば。観ていただいた後、きっと元気になります!」と爽やかにコメント。演技初挑戦となったamiさんは、「何もかも初めて尽くしで最初は緊張しましたが、当作品を通して、福島の方はもちろん多くの方を勇気付けられたら嬉しいです。」と、初々しく語ってくれました。
作中も実名かつ実際にシンガーソングライターとして登場する片平さんも、映画は初出演。「レコーディングとはまた違って、かなり長い時間をかける映画製作現場の『団結』感に感動しました」と、映画へのリスペクトが伝わってきました。そして、撮影時の感想などを聞かれて、全く関係ない「夜のラーメン屋」の話しでボケまくった板倉は、作品の中での役柄はもちろん、舞台挨拶でもしっかりお笑い担当に徹して、会場を爆笑の渦に引き込みました。
続いて、埼玉県飯能市の作品『歴史の時間』の舞台挨拶。物語の舞台は、埼玉県飯能市の高校。女子高生が、葛藤しながらも歴史を学ぶ意味、今を生きることを見つけていくストーリーです。
東京を拠点とする、ふるいちやすし監督はこれまで何度か飯能市で撮影を行なっており、「慣れ親しんではいたものの、この度『地域』からの公式となり、特別な思いです」と、感慨深く語られました。主演を務めた遠藤かおるは埼玉県出身。「強いメッセージ性のある作品です。皆さんの胸に響くと良いです。」と、いつにない真剣な眼差しが印象的でした。
個性的な女子高生役をこなした二宮芽生さんは「私とは何か?この複雑な今をどう生きていくのか…。そんな情報が詰まっている作品です。」と作品を紹介。同じく西野友唯さんは、「この作品は、役者の目や温度感など全てが、嘘のない映画です」と、作品への想いを熱く表現し、これから始まる作品への興味を大いに掻き立ててくれました。
最後に、「映画は説明するものではありません。観れてこその映画です。賛否両論あるかと思いますが、自由に観ていただいて、好きなように解釈していただければと思います」と、ふるいち監督がメッセージを投げかけ、舞台挨拶を締め括りました。