イベント2016.04.21津波信一さんらが撮影裏話を披露! 24年振りに『パイナップル・ツアーズ』を上映
4月21日(木)、那覇市のシネマパレットにて、沖縄ヒストリカルムービー『パイナップル・ツアーズ』の上映と舞台挨拶が行われました。舞台挨拶には、當間早志監督をはじめ、出演者した津波信一さん、仲宗根あいのさん、沖縄映画研究者の世良利和さんが登壇しました。
同作品は、第二次大戦の不発弾が眠るという沖縄の架空の島“具良間島”を舞台にした、3話からなるオムニバス作品。個性的な島人たちが繰り広げる日常の珍騒動を、當間早志ら沖縄県出身の3人の監督がコミカルに描いています。沖縄ポップカルチャーの第一人者・照屋林助さんや、NHK連続テレビ小説への出演も果たした平良とみさん、津波信一さんが所属するお笑い集団「笑築過激団」の若手役者たちが出演しています。
今では沖縄を代表する役者となった津波さん。当時を振り返り、「まだ無名の売れない役者だった頃のぼくです。当時と比べて一番変わったのが体型です。仲宗根さんは少年にしか見えないですね」と笑いを交えて語りました。仲宗根さんは、「伊是名島での撮影は逃げたくて仕方なかったです」と、撮影時の少し苦い思い出をぽつり。続けて當間監督は、「(仲宗根さんは)元気な子で、他の出演者がいるのに気にせず目の前で着替えたりしていましたね」とまさかの事実を暴露する場面もありました。
撮影時の平良とみさんを振り返った津波さんは、「撮影中に台風とかで食べ物が足りなくなってくると、とみさんが自分の食べ物を分けてくれました。当時は20歳になったばかりで、成人式ではとみさんから(お金がなくて)琉装の着物を借りることもありました。本当の孫のように接して下さった」と、懐かしむように当時を思い返していました。
當間監督も「実は撮影の時3回ほど、とみさんを危険な目に合わしてしまったが、本人は動揺することもなく撮影に挑んでいた。とみさんがいたから映画に安定感があった」と話し、仲宗根さんは「抱きしめるととても小さくて、でも心はとても大きな人でした」と、故人を偲んでいました。
映画の見どころについて聞かれると、「ベルリン国際映画祭でも上映され、沖縄の色鮮やかさが評価されました」と當間監督。津波さんは「沖縄ならではの色鮮やかな映像や当時の沖縄の若者の勢いを感じて欲しい」とPRし、舞台挨拶は幕を閉じました。